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手を繋ぐ

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写真を撮るのが好きで
ネガの頃からどこにいくにもカメラを持っていました。


瞬きが シャッターになればいいのに






川が緑色に染まり、柳の新芽がやわらかな枝を揺らしているとき
深々と大粒の雪が降って空のどこから落ちてくるのかいつまでも確かめたくなるようなとき
この目の前の出来事を残したいのに
叶わないからこそ少ない脳の引き出しに必死にしまっているのかもしれません。

(あぁだからわたしは他のことを結構すぐに忘れてしまうんだ)



写真を撮るって
そのとき、その光があって
その目を奪われるような光景や表情があって
そこで立ち止まって
瞬間を捉えるための何倍もの時間があって
心も体も、そこに注げるエネルギーがあって

いろんなことが重なってその一枚を撮れるなぁってずっとそう思っていました。


今は簡単にiPhoneで撮って、かっこよく加工したりなんかできて、それもなんだかなぁと思いつつ便利に使っていますけども。


それでも、カメラを持つとやっぱりあの頃の気持ちと変わらずそんなふうに思います。

今、ここにいてシャッターを切ることができる奇跡。






実はまだまだ風の余韻の中にいます。

必死すぎて「今自分が何を感じているんだろう。しっかり楽しめているのだろうか」と、準備中そんなおかしな焦り、制作とは違う無駄な欲を持っていたことがありました。

終わってからわかる、そんなことを言われて
すこし肩の力が抜けたりして。



それがこの今の時なんだと思います。


単に、どれだけの人に作品を見てもらえたかとか、嬉しい出来事があったとか、それだけではない、わたしの中にのこったもの。
今わたしを包むもの。



うまくことばにできないので、稲垣さんのブログを添付させていただきます。




あぁ
わたしはこういう世界にやっぱりいたんだと
胸がいっぱいになる。

「しあわせの濃さ」

「無私の心」

ほんとうに。
わたしが感じていたことそのものでした。
なぜこんなにも気持ちがいいのだろう。


この世界に触れて
自分のずるさやエゴや我を、改めて見せられるというのに。
まだほんとうの意味で自分を見つめていないからなのかなぁ。




ほんのひととき、手を繋いでいられる奇跡。


そこにいて、その光景を並んで眺められるしあわせ。


生きていることそのもの。





いつもブログを読んでくださっているみなさん、ありがとうございます。

遠くから見守ってくれる人たちの顔がうかびます。


ずいぶん前からの方、ついこの間からの方、
わたしのことをよく知っている方、作品は見たけどわたしにまだ会っていない方、
いつも傍で見守ってくれている方、
みなさんと、ほんの一瞬でも
真剣に手を繋いでいられることが、わたしのしあわせの濃さ、なんだと思います。

細い糸がこうして繋いでくれる。

わたしの糸がしあわせを紡いでくれると信じて。






by nuitori | 2018-10-28 12:37 | 想うこと | Comments(0)

細い糸で綴る刺繍の日々


by nuitori